「絵本作家 ほんままゆみ展」に行ってきました!(2/27まで開催中)


皆さんこんにちは!協力隊1年目の佐々木です。

私は先日、ニセコ町有島記念館で現在開催されている特別展、「絵本作家ほんままゆみ展〜『うまれたてのいろ』から『ゆきゆきゆき』まで〜」を見に行ってきました。

絵本作家でありニセコワイナリーの共同運営者でもある本間眞由美さんは、協力隊活動の中でも日頃からお世話になっているものの、私はまだ絵本作家としての眞由美さんの姿をきちんと拝見したことがありませんでした。

どんな発見があるのだろうと、ワクワクしながら有島記念館へ。


雪に包まれた有島記念館


この日は有島記念館にて、多言語での絵本の読み聞かせが行われていました。

多言語絵本読み聞かせの存在自体は知っていたものの、今回がはじめての参加。

大人になると絵本の読み聞かせを聞く機会がほとんどないため、子供に戻った気持ちでワクワクしながら聞かせてもらいました。


ニセコ町国際交流員の皆さん


今回の言語は英語、フランス語、マレー語、ドイツ語!日本語も。

ニセコ町の国際交流員の方々が皆さんそれぞれ絵本持って並びます。

多言語での読み聞かせを聞いていると、さまざまな表現や擬音が飛び出てきます。

「それぞれの国で、絵の雰囲気やお話の表現の仕方に特徴がある。絵本を通じて多様性を感じてもらえれば」と眞由美さん。


読み聞かせの後は国際交流員の方々との交流の時間も!

国際交流員の皆さんの出身地についてクイズが出されたり、ニセコでの暮らしをどのように感じているかなど、様々なお話を聞かせてもらいました。

国際交流員の方いわく、ニセコの子供たちは、自分の分からない言語でも、みんなじっくり絵本のお話を聞いているのだそう。

これからどんな風に子供たちが育っていくのか楽しみですね!


出身国の場所当てクイズ!


絵本の読み聞かせが終わった後は、「絵本作家 ほんままゆみ展」をじっくり見させてもらいました。


展覧会のスタートは『ゆき ゆき ゆき』から


今回の展覧会では、眞由美さん原作の4つの絵本作品が紹介されています。

『うまれたてのいろ』『うみがだいすきさ』(2冊とも みち いずみ 絵)、『こぐまのはっぱ』(ちば みなこ 絵)、『ゆき ゆき ゆき』は、みち いずみさんの遺した下絵をちば みなこさんが完成させてくださったそう。この創作過程の説明もあります。

美しい絵本の原画とともに、改めて絵本の内容を読み進めます。

彩り豊かな原画の数々


とても温かみのある空間で、ゆっくり、じっくり、絵本を読むことができます。

こうした絵本の内容の展示に加え、絵本製作の舞台裏が垣間見える展示物も、、、!


絵本製作の舞台裏


個人的には、『うみがだいすきさ』の一つのシーンがとても心に残りました。

海で泳げるようになりたい主人公の「あおくん」が、泳ぎを練習する中で日々様々な気持ちを感じることが表現された一枚。

この冬にスノーボードを始めた自分自身とついつい重ね合わせてしまい、「こんな気持ちの日もあったなぁ」とか「気付いたら周りに助けてくれる人がいたなぁ」など、練習の日々を思い出してウルウルしてしまいました。(まだ始めたばかりですが、、、笑)


『うみがだいすきさ』の私のお気に入りのワンシーン


展覧会を拝見した後、眞由美さんが絵本をつくるようになった経緯について、改めて聞いてみました。


眞由美さんは以前、北海道の民放テレビ局アナウンサーをされていたことがあり、そこでの仕事の中で、短時間ながら番組制作を任される経験をしました。

初めて「企画、取材、文章と写真での構成、自身でレポート」を体験されたのだそうです。

「今思い返すと、“映像”と“言葉”というものは、絵本と重なる部分があったのかもしれない」と眞由美さん。


その後ご家族のお仕事の都合でフィリピンに移住することに。

在任期間は、マルコス政権がピープルパワーで崩壊した「黄色い革命」期。

そこでフィリピンの人々の貧富の大きな格差を見たカルチャーショックがきっかけで、「微力でも何かしなければいけない」という強い気持ちを持つようになりました。

小さな子供もいる中で自分に何ができるのか―、ご自宅の近くの息子さんたちが通う幼稚園に行って相談をしてみたところ、「絵本の読み聞かせをしてほしい」との要望を受けたのだそうです。

そこで初めて、大勢の子供たちの前での読み聞かせを経験しました。

「自分が今まで色々な経験をしてきたからこそ、こうした機会を得ることができた。自分らしいメッセージを、絵本を通して何か伝えたい」。

それが眞由美さんの今につながるきっかけでした。


可愛らしい「しろ」ちゃんたちで描かれた眞由美さんのご経歴


小さい子どもたちに、世界各国の絵本を紹介し、「絵本を通じて多様性を認め合うことの大切さ、様々な考え方や価値観に触れることの大切さを伝えようと思った」と眞由美さん。

眞由美さんがご自宅で営む絵本文庫の名前は「RAINBOW(レインボー)」。

眞由美さんが子供時代に、「虹がかかっていると夢が叶う」と信じていたことに由来しているそう。

「子供たちに夢をかなえてほしい」という、眞由美さんのあたたかい気持ちが込められています。


素敵な笑顔で語ってくれた眞由美さん


この展覧会について、「有島記念館の方々がつくられたこの空間は本当にあたたかくて、見事な演出力だと思う」と眞由美さんは力を込めます。

「子供の絵本や文学は、これからの将来、長い人生を歩んでいく子供たちに読んでもらう本。明るく前向きに生きていく力を秘めているのが児童文学だと思っている。そういうあたたかさ、心和む雰囲気、前向きに生きる力を与えてくれる空間だと思う」と笑顔で語ります。


以前、展覧会に来ていた小学生のお子さんが、絵本のお話をラップ調で読み始めたことがあったそうです。

心が解放され、自分の世界に入っていけるような雰囲気になっているからだな、と眞由美さんは感じたそう。

「読み聞かせをする人や、それを聞く子供たちの体温が行き交うような雰囲気。このような演出・雰囲気を、お子さんにも、大人の方にも、実際に来て見て味わってほしい」。

嬉しそうな笑顔とあたたかい言葉で語る眞由美さんがとても印象的でした。


ぜひ展覧会に足を運んで、あたたかく、ワクワクする絵本の世界を体感してみてくださいね!



この展覧会についてのうれしい情報です!

「絵本作家ほんままゆみ展」入館料

★ ニセコ町民は、お子さまも、大人の方も無料です。

★ ニセコ町ゆかりの方も、無料です。(ニセコ町に実家のある方で、帰省中の方々など)

★ ニセコ町外の方でも、お子さま連れの方は無料です。


―――――――― 展覧会情報 ――――――――


「絵本作家ほんままゆみ展 〜『ゆきゆきゆき』から『うまれたてのいろ』まで〜

【開催期間】2021年12月4日(土)〜2022年2月27日(日)

【開館時間】9:00〜17:00(入場は16:30まで)

【休館日】毎週月曜、月曜祝日の翌日、年末年始(12/31〜1/5休み)

【場所】ニセコ・有島記念館 地図:https://goo.gl/maps/vjVfNBLpyMDNPcMm6

▼ 展覧会紹介ウェブページ

https://www.town.niseko.lg.jp/arishima_museum/kikaku/kikaku_2021/3543